彼女との別れを考えている韓国人男『積極的な男−33』
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# 彼女との別れを考えている韓国人男
今日はまた彼女とのデートがある日だ。
彼女とのデートも楽しみだが、日本語学校の授業もさらに楽しみになってきた私。
『今日も学校に行って一生懸命勉強をして、そして彼女にも会って一生懸命恋愛もしよう!』と嬉しく思えればいいのに。。。
あぁ。。。なんだかな。。。
本当に。。。本当に。。。本当に優しい彼女なのに。。。
なんだか彼女に会うといつも帰りに罪悪感を感じる。
そうだ。。。罪悪感。。。
なにか彼女に特別な理由があるわけではなくて、自分で自分の夢や韓国での生活まで全て投げ捨てて日本留学に懸けて来たのに、彼女と恋愛しながら韓国語ばかり使って楽しんでる自分を見ると『何のために日本に来たの?』という思いが込み上げてきて、なんだか自分が情けないというか。。。
韓国語しか分からないのだから今は仕方ないと思っている自分もいるが、それを言い訳しているように感じて嫌だし。。。とにかく日本語の勉強と関係ない事をしてる自分を見ると何であっても嫌というか。。。自分に厳しい過ぎると思われるかもしれないが、今は自分に厳しい過ぎないといけない状況だった。
何度も言うが、これは彼女の問題ではなく全て私の問題。
私が彼女に会っている間も日本語で話していれば問題ない。。。だが、これも前に一度説明したが韓国語を話せる人に日本語で話しをするのは簡単ではない。。。
とにかく私にとって今一番大事なのは日本語。
『日本語が早く上手になる事』
当時の私は日本語と関係ない事は何もしたくなかった。
何でもいい!日本語と関係がある事なら何でもやる!
だから朝起きたらすぐひらがな、カタカナの復習から始めて、どこかに行く時はずっと日本語が流れてるイアフォンを耳につけて生活していたし、寝ているときも日本のラジオを聴きながら眠っていた。
そして日本語学校の授業。。。
今までの私の人生の中で一番楽しい授業かもしれない。
私は今日本にいて全く日本語が分からない状態で授業を受ける。すると教えてもらった言葉はすぐそのまま日本での生活で使える表現となって身に付いていく!分かる言葉がどんどん増えていく!まるで魔法のような感覚。
授業に入って一生懸命勉強している自分を見ると、自分が自分の将来のために頑張っている気がして嬉しくなってくるというか。。。
韓国で俳優になるために頑張って色々なオーディションを受けていたけれど、正直これで自分の目標達成(有名な俳優になること)ができるのか全く確信が持てなかった。俳優で売れるというのは自分が頑張ればいつか必ずなれる、というものではないと思っていたからだ。それはつまり私の中で、自分の人生を自分でコントロールできていないという事を指していたのだが、日本に来て日本語勉強を始めてからは自分が頑張れば目標を達成する事ができる気がしてもっともっと頑張ろうというやる気が出てくる。自分がイキイキしているのをよく感じるようになっていた。
もちろん楽しく勉強はしていたけれど、日本語勉強は簡単ではないし『こんにちは、初めまして、椅子、机、りんご』などの言葉を勉強していると。。。また幼稚園生になった気持ちにもなるし。。
伝えたいことも上手く伝えられないし、韓国で軍隊まで経験してきた自分がまた幼稚園生になったかと思うと。。。。正直ストレスも沢山あり恋愛している余裕がなくなっているというか。。
今日の日本語学校の授業が終わった。
今日も楽しく授業に参加できたと感じ嬉しい!^^
ひらがなカタカナのテストも完璧だったし、あぁ。。。すごく達成感があって幸せな気持ちだ。
授業中はいつも携帯の電源を切っている私。
授業が終わって電源をつけると彼女からメッセージが届いていた。
『学校の前のマクドナルドにいるよ』
私と彼女は学校の前のマクドナルドで待ち合わせをし電車に乗って新大久保に行った。
彼女『今日はどんな勉強した?』
私『ひらがな、カタカナのテストをやって、簡単な挨拶』
彼女『楽しかった?』
私『めちゃくちゃ楽しかったよ。』
彼女『笑』
私『でも新大久保で何するの??』
彼女『ただ韓国の物が何でもあるから〜!おっくんが喜ぶんじゃないかと思って』
私『あ〜そう?』
彼女『うん。いろいろ見てご飯でも食べよう!^^』
また色々話ている間に新大久保駅に着いた。
新大久保駅に降りて少し歩いていると韓国の歌が聞こえていて、看板も韓国語、食べ物もスーパーも全部韓国。。。普通に韓国にいる感覚だ。。。
彼女は私の事を考えて新大久保でデートをしようと提案してくれた。その気持ちは嬉しかったのだが、新大久保でのデートというのは正直嬉しくなかった。
この時の私は日本の日常生活に入って早く日本語をマスターしたい気持ちが強かった。韓国が恋しいという気持ちは一切なかったというか。。。
それでも私と彼女は新大久保で夜ご飯の韓国料理まで食べて駅で別れた。
寮に帰る電車の中でまた私は複雑な気持ちになっていた。
また韓国語ばかり使ってしまったし。。。しかも新大久保まで行って。。。
(私の考えが理解できない方もいらっしゃるかもしれないですが、これがこの当時の私の本当の気持ちでしたのでご理解ください)
また真剣に考え込んでいた私。。。
私今日一日何していたのかな。。。
ずっと韓国語を使い新大久保まで行って。。。
彼女には本当に申し訳ないのだけれど。。。
私は少しずつ彼女との別れを考え始めていた。